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NOBUHIRO KOSUGIWATCH DESIGNER
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腕時計ごとの世界観を表していく。
妥協のない緻密な仕事には、
よく見えるメガネが必須なのです。

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小杉修弘
Nobuhiro Kosugi
ウオッチデザイナー Watch Designer

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NOBUHIROKOSUGI

小杉修弘
ウオッチデザイナー

プロフィール 1952年生まれ。1973年よりウオッチデザイン業務に携わり、1993年にセイコー電子工業(現:セイコーインスツル)へ入社。以後、グランドセイコーやクレドールをはじめとする高級腕時計のデザインを主に担当。これまでに3度のグッドデザイン賞受賞のほか、2014年には世界の時計業界で最も権威のあるジュネーブ時計グランプリにおいて、日本の機械式腕時計としては初となる部門賞を獲得。長年にわたる業務精励と優れた功績が認められ、平成28年(2016年)春の褒章にて黄綬褒章を授与される。

小杉さんご着用メガネ 製品名 / セイコースペリオール 1.60

フレーム製品名 / セイコーメンズコレクションTシリーズ
T7013 ST(ソリッドチタニウム)

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PLEASUREOFWORK

腕時計は小さなモノながら、そのデザインは実に奥深い。

―― 小杉さんは40年以上にわたり腕時計のデザイン業務に携わっておられるそうですが、ウオッチデザイナーとはどのような仕事なのですか?文字通り、腕時計をデザインする仕事なのですが、基本的には企画担当者とともに新製品発表の1、2年ほど前からコンセプトづくりをスタート。企画内容に沿ったスケッチや試作図面の作成、プロトタイプの評価・修正などを行いながら、製品が完成するまでフォローしていきます。

―― セイコーが国産初の腕時計を発売したのは1913年(大正2年)だったと思いますが、当時からウオッチデザイナーという職種はあったのでしょうか?おそらく当初はデザインの専門家は存在せず、設計の人たちが兼務していたのだと思います。セイコーでそうした状況が変わったのは1960年代。ウオッチデザインを専門とする方々が活躍されるようになり、ウオッチデザイナーという職種が認知され始めたのです。

―― 小杉さんがこの仕事に就こうと思われた動機とは?学生時代の恩師から「時計のデザイナーを探している会社がある」と勧められ、「じゃあ、行ってみようか」と。軽い気持ちで時計業界に入ったのですが、やってみると非常に奥の深い世界でして、どんどんと深みにハマっていきました(笑)。腕時計というのは、ベーシックなものから、スポーツ用のもの、ゴージャスなものなど、人それぞれの生活スタイルや嗜好に合わせて色々な世界観を表現できますし、文字盤からケース、ブレスレット、パッケージなどまで、すべて一人でデザインできるところも醍醐味ですね。

PLEASUREOFWORK
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LONGLIFEDESIGN

長く愛される品を世の中に。伝統の職人技を後世に。

―― お仕事をするうえで、こだわっていることはありますか?今、時計業界ではロボットなどの先進加工機械が次々と導入されていますが、腕時計は直接人の肌に触れるものなので、特に高級品に関しては、最終的な研磨工程に職人の手作業を必ず入れることにこだわっています。ですから仕事上では、デザインがある程度固まった段階で職人さんに相談し、仕上がりのイメージを擦り合わせているんです。現在は機械研磨の精度も上がっていますので、そこに職人の手仕事を加えれば、さらに高精度でゆがみのない、光沢の綺麗な時計が生み出せます。いうなれば、「先進の加工技術」と「職人技」の融合ですね。これにより、機械化が進む時代の中でも、職人の技能を向上させながら後世に伝承することができるだろうと考えています。

―― デザイン面で重視されていることは?製品によっても異なりますが、グランドセイコーであれば、長く人に愛されるようなデザインを大切にしています。例えば、1998年に復活した機械式のグランドセイコーは私にとって思い入れのある品で、発売の約10年後には「グッドデザイン・ロングライフデザイン賞」を受賞しまして、20年を経た今も同じスタイルで商品化されています。

―― そんなにも長く愛される理由は何なのでしょう?時計としての“王道”とでも言うか。「正確さ」「美しさ」「見やすさ」そして「長く愛用でき」「使いやすいこと」という、腕時計の本質を追求し続けてきているからではないでしょうか。

―― なるほど。一方で小杉さんは漆や七宝など、日本の伝統的な技法を用いた作品もデザインされていますよね。クレドールですね。日本ならではの伝統技法を腕時計に取り入れたのは、Made in Japanであることを世界に強くアピールしたいという想いからでして。例えば2016年発表の『FUGAKU』は、葛飾北斎浮世絵の名作「富嶽三十六景」の「神奈川沖浪裏」と、名工波の伊八という有名な木彫師の作品にインスピレーションを得たデザインで、彫金や漆芸の技法を用いています。

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COMFORTABLEVISION

遠くから手元まで、ストレスフリーな見え心地。

―― クレドール等では腕時計のケース内、2mmにも満たない厚さの中で芸術的な世界観を表現するには緻密な作業が必要だと思いますが、お仕事ではかなり目を使いますか?使いますね。特に目を酷使するのは、品物の仕上がり具合や光り加減などをチェックする時。細部まではっきり見えないとチェックが甘くなってしまうため、メガネ無しの作業は考えられません。

―― いつ頃からメガネをご使用なんですか?20年ほど前から手元が見えにくくなったので、細かい作業をする時やパソコンに向かう際に老眼鏡を利用してきました。ですが、会議に出た場合など、「遠くのホワイドボードは裸眼で見て、手元の図面を見る時はメガネをかけて」という風に、付け外しをするケースが増えていき…。面倒に感じるようになったため、今回新たに遠近両用を新調したんです。

―― 今回お選びになった遠近両用テイラーメイドレンズ『スペリオール』の使用感はどうですか?凄く使いやすくて便利ですね。遠近ともにクリアに良く見えて、以前のように付け外しをする面倒が無くなりました。長時間かけていても疲れないので、就寝中以外はずっと付けている状態です。また、もう一つ驚いたのは、ドライブ中にナビの文字が良く見えること。ナビは手元より少し離れた場所にありますが、このレンズだとちょうどいい位置でピントが合う。遠くから近くへと視線を移していった時のピントの合いかたがスムーズで、ストレスフリーなところが素晴らしいですね。

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SUITABLEMATERIALS

素材を徹底研究する点は、メガネもウオッチも共通だった。

―― 小杉さんは、『セイコーオプティカルブティック 丸の内』でメガネをつくられたわけですが、お店の方の対応はいかがでしたか?非常に丁寧に対応していただけて、視力測定もスピーディでした。また、私には少し上向き加減でものを見るクセがあるようで。メガネを着用する際は、「少し顎を引き気味にして正面を向くよう意識すると、視線の動きだけで遠くから近くまで快適な視界が実現する」といったアドバイスを受けました。新たなレンズにすぐに慣れることができたのは、的確なアドバイスのおかげですね。

―― フレームもセイコーメンズコレクションのTシリーズをお選びですね?ええ。私が選んだのは、リムにチタン合金、テンプルにβチタンが使用されたフレームです。現在は腕時計にもチタンを使うことが多いのですが、このフレームもパーツごとに最適な素材が使われていて、素材特性がしっかりと研究されている点に惹かれたんです。

―― フレームのデザインは、以前のメガネに似た雰囲気なのですか?いや、全然違います。以前のものはべっ甲風のフレームでしたが、今回は品のある感じにしてみようか、と。このフレームにしてから職場内でも好評です。お店の方は非常に親切で技術も高かったので、これからもフレームのフィット感が変わったりした時は、気軽に相談に行こうと思っています。目のほうの老化も年々進むでしょうからね。

―― 『スペリオール』は、室内・屋外・運転中などに幅広く使える汎用性の高いレンズですが、今後、老眼が進行していった場合には、室内用やパソコン用といった目的別の複数所有もお勧めですので、その際はぜひご検討ください。本日はありがとうございました。

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