用語説明

屈折率

屈折率は、レンズを薄型化するための最も重要な要素になります。光の屈折とは、媒質の異なる境界面で、光がその進行方向を変えることをいいます。

屈折率とは、その素材が光をどれだけ屈折させる能力があるかということを示すための、その素材固有の値です。
従って、屈折率の大きな素材を用いるほど、同度数のレンズでは薄く仕上げることができます。
現在のプラスチックレンズでは、屈折率1.49~1.74までが開発されています。

比重

比重とは、「物質の質量」と「その物質と同体積の標準物質の質量」との比をいいます。標準物質としては一般に、4度Cの水が用いられます。
この値が小さいほど軽いレンズということなのですが、比重の小さいレンズは一般的に屈折率が低い傾向にあり、レンズが厚く(体積が大きく)なるため、重いレンズになってしまう場合もあります。

アッベ数

太陽の光(白色光)は、様々な色の光の混合であることはよく知られていますが、このような光がレンズ内のプリズム作用のある場所を通過すると、図-2のように光がスペクトル(波長順に赤から青まで)に分かれます。これを光の分散といい、レンズに色収差という問題を引き起こします。アッベ数とは、この光の分散の程度を示す値であり、アッベ数が小さいほど色収差が大きく、アッベ数が大きいほど色収差は低減されます。
色収差が発生すると、図-3のように注視物に色がついてにじんで見えます。色収差量 Pcは、レンズ上のプリズムをP(Δ)、レンズ素材のアッベ数をνとすると、Pc=P/νで与えられ、個人差もありますが、一般にPcが0.2を超えると、視力低下を起こすといわれています。

累進帯長

累進屈折力レンズはその一枚のレンズの中に、遠くを見るための「遠用部領域」と近くを見るための「近用部領域」があり、それらの間でレンズの度数が累進的に変化する「累進部領域」があります。累進帯長とは、この「遠用部領域」の最下端から「近用部領域」の最上端までの長さを表します。従って累進屈折力レンズは一般的に、遠くを見るときはやや上目使いで、近くを見るときは下目使いで使用することになります。累進帯長が短いと、近くを見るときに眼を下方に回旋させる量が少なくてすむため近方視野は広くなりますが、累進帯長が短いほどレンズ側方部に非点収差と呼ばれる歪みが大きくなり、使用感は悪くなっていきます。使用者の用途やメガネへの慣れにもよりますが、常用することを目的とした場合、累進帯長は14mm位が一般的でしょう。

非球面設計

レンズの外面と内面のカーブの組み合わせで、レンズの度数は決まります。
従来このカーブは外面・内面ともに"球面"で設計していましたが、技術進歩に伴い、外面を"非球面"で設計する「非球面設計」が主流になりました。レンズが"薄く軽く"なるというメリットがあります。

両面非球面設計

セイコーは世界で初めてレンズの外面・内面とも"非球面"にする「両面非球面設計」の実用化に成功。
更なるレンズの「薄型化・軽量化」を実現しました。
快適な掛け心地のセイコーのメガネレンズの素晴らしさを是非とも体験してください。

累進屈折力レンズ

老視の屈折補正のためには、基本的に遠くを見るための遠方視用メガネと、近くを見るための近方視用メガネが必要になりますが、このメガネの掛け替えは非常にわずらわしいものです。この欠点を解消するために、一つのメガネで遠くも近くも見ることのできる多焦点レンズが誕生しました。最も簡単な多焦点レンズは、遠用レンズと近用レンズを中央で張り合わせて一枚にした、EXタイプと呼ばれる二重焦点レンズ(バイフォーカル)レンズです。また、遠用と近用の中間距離を見るためのレンズを付加した、三重焦点レンズ(トライフォーカルレンズ)というのもあります。このように中間部をさらに細分化していくと、遠用のレンズの度数から近用のレンズの度数まで、連続的に変化するレンズができ上がります。これが累進屈折力レンズの基本概念です。

累進屈折力レンズの最大の特徴は、バイフォーカルレンズのような境目が無いため、見た目によくファッション性に優れることです。また、中間部領域は無段階でレンズの度数が変化していますので、このレンズ一つで遠くから近くまで、どの距離にでも焦点を合わせることができる優れたレンズです。反面 、欠点もあります。一枚のレンズの中で異なる複数の度数を有しており、側方領域において物を見ると歪んで見えたり、顔を左右に振ったときにゆれを感じたりします。また、ボヤケて見える場合もあります。これらの欠点をどのように減少させているかが、累進屈折力レンズの性能基準になります。